目次

新事業進出補助金 vs ものづくり補助金|どちらを申請すべき?判断基準

新事業の補助金申請、プロに任せませんか?

採択実績豊富な中小企業診断士・行政書士が無料で診断します

無料相談

新事業進出補助金とものづくり補助金、どちらを選ぶべきか

中小企業の設備投資やサービス開発を支援する国の補助金として、「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は最も代表的な2制度です。しかし、対象経費や投資規模に重なりがあるため、「自社はどちらに申請すべきか」と迷う事業者が多く見られます。

本記事では、両補助金の制度比較にとどまらず、製造業・サービス業・小売業など業種別の判断基準や、2026年度の統合議論を踏まえた最適な選択方法を解説します。

この記事の対象者

  • 設備投資やシステム導入を検討している中小企業
  • 新事業進出補助金とものづくり補助金のどちらに申請すべきか迷っている事業者
  • 認定支援機関やコンサルタントに相談する前に基本知識を得たい方

制度比較表:新事業進出補助金 vs ものづくり補助金

まずは両制度の基本情報を一覧表で比較します。

比較項目新事業進出補助金ものづくり補助金
主な目的新市場進出・事業転換生産性向上のための設備投資
対象者中小企業・中堅企業中小企業・小規模事業者
補助上限額最大9,000万円最大4,000万円(大幅賃上げ特例)
補助下限額750万円100万円
補助率(中小企業)1/2(小規模は2/3)1/2(小規模は2/3)
対象経費建物費・機械装置費・システム構築費・広告宣伝費など9区分機械装置費・技術導入費・運搬費・クラウドサービス利用費など
申請要件新事業進出要件+付加価値額年率4%増+賃上げ要件付加価値額年率3%増+賃上げ要件
審査方法書面審査+口頭審査(全件)書面審査(一部口頭審査あり)
公募頻度年2〜3回(予定)年3〜4回
建物費の補助対象(新事業に必要な場合)原則対象外
広告宣伝費の補助対象(補助対象経費の1/3以内)原則対象外

投資規模から見る最適な選択

投資規模は補助金選択において最も重要な判断基準の一つです。両補助金の補助下限額・上限額から、投資規模別の最適な選択を整理します。

総投資額推奨補助金理由
200万〜1,500万円未満ものづくり補助金新事業進出補助金の下限額(補助額750万円=投資額1,500万円)を満たさない
1,500万〜3,000万円どちらも候補事業内容により判断(後述のフローチャート参照)
3,000万〜8,000万円どちらも候補だが新事業進出補助金が有利ものづくり補助金の上限を超える場合は新事業進出補助金が適する
8,000万〜1.8億円新事業進出補助金ものづくり補助金の上限(4,000万円)では不足

投資規模だけで判断しない

投資規模が1,500万円以上であっても、「新事業進出」の要件を満たさなければ新事業進出補助金には申請できません。既存事業の延長線上での設備投資は、投資額が大きくてもものづくり補助金が適しています。

新事業の補助金申請、プロに任せませんか?

採択実績豊富な中小企業診断士・行政書士が無料で診断します

無料相談

対象経費の違いで判断する

両補助金で対象となる経費には明確な違いがあります。「何にお金を使いたいか」で最適な補助金が変わります。

建物費・内装工事費

新事業進出補助金では、新事業のために必要な建物の新築・改修・内装工事が補助対象です。店舗改装、工場増設、新事業用の施設整備などが該当します。

一方、ものづくり補助金では建物費は原則として補助対象外です。生産ラインの変更に伴う軽微な工事費用は認められる場合がありますが、建物自体の建設・大規模改修は対象になりません。

経費例新事業進出補助金ものづくり補助金
新事業用の店舗改装対象対象外
工場の増設対象対象外
新事業用の内装工事対象対象外
生産設備の基礎工事対象一部対象

広告宣伝費・販売促進費

新事業進出補助金では、新事業に係る広告宣伝費・販売促進費が補助対象です。ただし、補助対象経費全体の1/3以内という上限があります。

ものづくり補助金では広告宣伝費は原則対象外です。新製品の販路開拓に必要な費用であっても、広告に該当する経費は認められません。

システム構築費・クラウドサービス利用費

両補助金ともにシステム構築費やクラウドサービス利用費は補助対象ですが、位置づけが異なります。

経費例新事業進出補助金ものづくり補助金
ECサイト構築対象(新事業として展開する場合)対象外(通常枠)
生産管理システム導入対象(新事業に紐づく場合)対象
AIを活用した品質検査システム対象対象
クラウドサービス利用料対象(補助期間内)対象(補助期間内)

業種別の判断ガイド

業種によって「新事業進出」に該当しやすいケースと、既存事業の生産性向上が主目的となるケースがあります。代表的な業種別の判断基準を示します。

製造業の場合

取り組み内容推奨補助金理由
既存製品の生産効率を上げるための設備更新ものづくり補助金既存事業の延長(新事業進出に該当しない)
全く新しい分野の製品製造に進出新事業進出補助金新市場進出に該当
IoT・AI導入で品質管理を高度化ものづくり補助金既存事業の生産性向上
製造業からサービス業(修理・メンテ)に展開新事業進出補助金事業転換に該当

サービス業・小売業の場合

取り組み内容推奨補助金理由
実店舗からECサイトへの本格展開新事業進出補助金新チャネルでの事業展開
飲食業から食品加工・販売業への進出新事業進出補助金産業分類の異なる事業への進出
既存店舗のPOSレジ刷新ものづくり補助金既存事業の効率化
宿泊業でのセルフチェックインシステム導入ものづくり補助金既存サービスの生産性向上

建設業の場合

取り組み内容推奨補助金理由
ドローン測量サービスの新規立ち上げ新事業進出補助金新事業としての展開
建設現場の3D測量機器導入ものづくり補助金既存事業の生産性向上
建設業からリフォーム・リノベーション事業に進出新事業進出補助金新市場への参入
ICT建機の導入ものづくり補助金既存工事の効率化

5つの質問で決まる判断フローチャート

以下の5つの質問に順番に回答することで、新事業進出補助金とものづくり補助金のどちらに申請すべきかを判断できます。

質問はいいいえ
Q1. 新しい市場・業種への進出を計画していますか?→ Q2へ→ ものづくり補助金
Q2. 総投資額は1,500万円以上ですか?→ Q3へ→ ものづくり補助金
Q3. 建物費や広告宣伝費を補助対象に含めたいですか?→ 新事業進出補助金→ Q4へ
Q4. 口頭審査に対応できる体制がありますか?→ Q5へ→ ものづくり補助金
Q5. 付加価値額の年率4%増加を達成できる見込みがありますか?→ 新事業進出補助金→ ものづくり補助金

両方に該当する場合

新事業進出補助金とものづくり補助金の両方に該当する場合は、補助上限額・対象経費の範囲・採択率を総合的に判断しましょう。認定支援機関に相談し、採択可能性が高い方を選択するのが賢明です。なお、両方の補助金に同時に申請することは制度上可能ですが、同一経費の重複申請はできません。

2026年度の制度統合を見据えた申請戦略

2026年度には新事業進出補助金とものづくり補助金の統合が検討されています。統合後は一つの補助金の中に複数の申請類型(枠)が設けられる見通しです。

観点統合前(現在)統合後(予定)
申請先2つの補助金から選択1つの補助金内で枠を選択
申請書類それぞれ別フォーマット共通フォーマット(予定)
審査基準補助金ごとに異なる共通基準+枠固有の基準(予定)
事務局それぞれ別事務局統一事務局(予定)

統合前の申請を検討すべき場合

現行制度での公募が続いている間に申請準備が整うなら、統合前の申請も有力な選択肢です。統合初年度は制度移行期の混乱が予想されるため、現行制度を活用する方が確実な場合もあります。詳しくは「新事業進出補助金2026年度統合で何が変わる?」をご参照ください。

無料で専門家に相談できます

中小企業診断士・行政書士が貴社の新事業計画を診断し、補助金申請をサポートします。

  • 相談・診断は完全無料
  • 新事業進出補助金の申請実績豊富
  • 最短翌日に折り返し連絡

よくある質問(FAQ)

はい、同時に申請すること自体は可能です。ただし、同一の事業計画・同一の経費で両方に申請することはできません。異なる事業内容であれば、それぞれに申請できます。なお、両方が採択された場合、経費の重複がないよう厳格に管理されます。

はい、名称に「ものづくり」とありますが、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」であり、全業種が対象です。サービス業、小売業、建設業、農業など幅広い業種で活用されています。

可能であれば、両方の制度に精通した認定支援機関への相談がベストです。補助金の要件や審査基準の違いを踏まえた適切なアドバイスが得られます。認定支援機関検索は中小企業庁の公式サイトから行えます。

ものづくり補助金のデジタル枠は、既存事業のDX推進(IoT、AI、クラウド活用等)による生産性向上が目的です。一方、新事業進出補助金でのデジタル投資は、デジタル技術を活用した「新事業への進出」が前提です。既存事業のデジタル化はものづくり補助金、新事業としてのデジタルサービス展開は新事業進出補助金が適しています。

必ずしもそうとは限りません。新事業進出補助金は補助下限額が750万円と高く、審査も口頭審査を含むため難度が上がります。投資規模が小さい場合や新事業進出の要件を満たさない場合は、ものづくり補助金の方が採択可能性が高くなります。補助上限額だけでなく、総合的に判断しましょう。

統合後は1つの補助金制度の中で「新事業進出枠」「設備投資枠」などの類型を選択する形になる見通しです。申請窓口が一本化されるため、制度選択の迷いは解消されると期待されています。ただし統合の正式決定はまだ行われていません。

専門家チーム 新事業進出をお考えの方 無料で専門家に相談 地域・業種から探す 専門家を探す