目次

新事業進出補助金の申請から採択までの完全フロー|7つのステップ解説

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新事業進出補助金の申請フロー全体像

新事業進出補助金の申請から補助金受取までには、大きく7つのステップがあります。公募開始から補助金入金まで最短でも12〜18ヶ月を要するため、全体スケジュールを把握した上で計画的に準備を進めることが重要です。

補助金額は最大9,000万円(補助率: 中小企業1/2、中堅企業1/3)、下限額は750万円と大規模な補助金であるため、各ステップで求められる書類や手続きの精度も高くなります。

ステップ内容所要期間の目安
Step 1事前準備・情報収集1〜3ヶ月
Step 2GビズIDプライム取得2〜3週間
Step 3事業計画書の作成1〜2ヶ月
Step 4認定支援機関の確認書取得2〜4週間
Step 5jGrantsでの電子申請1〜3日
Step 6書面審査・口頭審査2〜3ヶ月
Step 7採択通知・交付申請1〜2ヶ月

スケジュールの注意点

公募締切日は厳守です。jGrantsのシステム障害等による提出遅延は原則認められません。締切の1週間前までには申請を完了させるスケジュールで進めてください。

【Step 1】事前準備・情報収集(公募開始前〜)

公募開始前から準備を始めることが、採択率を高める最大の秘訣です。公募要領が公表されてから準備を始めると、十分な品質の事業計画書を作成する時間が不足します。

情報収集で確認すべき5つのポイント

  • 公募スケジュール(公募開始日・締切日・採択発表日の予測)
  • 申請要件(企業規模、業種制限、付加価値額の成長要件等)
  • 補助対象経費の範囲(9区分の詳細)
  • 審査項目と加点要素(賃上げ加点、地域加点等)
  • 過去の採択結果(採択率、業種別の傾向分析)

情報源としては、事務局の公式サイト、中小企業庁の補助金ポータル、認定支援機関からの情報提供が主要なチャネルです。セミナーや説明会が開催される場合は積極的に参加しましょう。

自社の申請適格を事前チェック

チェック項目要件確認方法
企業規模中小企業または中堅企業に該当資本金・従業員数で判定
新事業の該当性既存事業と異なる新製品・新サービス・新市場への進出事業内容を整理して確認
投資規模補助対象経費が1,500万円以上(補助下限750万円×補助率1/2)概算見積もりで確認
賃上げ要件給与支給総額年率2%以上増、事業場内最低賃金引上げ現在の賃金データを整理
付加価値額年率4%以上の成長計画直近3年の決算書から計算

申請できないケース

過去3年以内に同種の補助金(事業再構築補助金等)で交付を受けた場合、重複申請に該当して申請できないケースがあります。他の補助金の受給状況も事前に確認してください。

【Step 2】GビズIDプライムアカウントの取得

新事業進出補助金の申請はjGrants(Jグランツ)での電子申請が必須です。jGrantsを利用するにはGビズIDプライムアカウントが必要であり、取得には2〜3週間かかります。

GビズIDプライム取得の手順

  • GビズID公式サイト(gbiz-id.go.jp)にアクセス
  • 「gBizIDプライム作成」を選択し、申請書をダウンロード
  • 申請書に必要事項を記入し、印鑑証明書(法人)を添付
  • 申請書一式を郵送(または電子申請)
  • 審査完了後、メールでIDが通知される(約2〜3週間)

早めの取得を推奨

GビズIDプライムの取得は他の補助金申請でも必要になるため、まだお持ちでない方は今すぐ手続きを開始してください。公募締切直前に申請すると間に合わない可能性があります。

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【Step 3】事業計画書の作成(最重要ステップ)

事業計画書の作成は、申請プロセスの中で最も時間と労力を要するステップです。1〜2ヶ月の期間を見込んで取り組んでください。

事業計画書作成のチェックリスト

作業項目内容完了目安
既存事業の分析SWOT分析、財務データの整理第1週
新事業の構想整理製品・サービスの仕様、ターゲット市場の明確化第2週
市場調査市場規模データの収集、競合分析第2〜3週
見積書の取得設備メーカーやITベンダーへの見積依頼第2〜4週
収益計画の策定5年間の売上・利益・付加価値額の計算第3〜4週
計画書の執筆全セクションの文章化、図表作成第4〜6週
レビュー・修正認定支援機関や第三者によるレビュー第6〜8週

事業計画書以外に必要な添付書類

  • 直近2期分の決算書(貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書)
  • 法人事業概況説明書
  • 従業員名簿または雇用保険の被保険者数を証する書類
  • 見積書(主要な設備投資の見積もり)
  • 認定支援機関の確認書
  • 賃金台帳(賃上げ要件の証明用)
  • 加点項目の根拠資料(該当する場合)

書類不備に注意

書類不備があると「不備通知」が届き、修正期間内に再提出が必要です。修正期間は非常に短い(数日程度)ため、最初から不備のない書類を用意することが重要です。決算書や従業員関連書類は事前に税理士や社労士に確認してもらいましょう。

【Step 4〜5】認定支援機関の確認書取得とjGrants申請

事業計画書が完成したら、認定支援機関の確認書を取得し、jGrantsで電子申請を行います。この2つのステップは並行して進めることも可能です。

認定支援機関との連携方法

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)は、事業計画書の内容を確認し、確認書を発行する機関です。以下の機関が認定支援機関として登録されています。

機関の種類特徴費用の目安
税理士・会計士顧問税理士であれば費用が抑えられる無料〜10万円
中小企業診断士事業計画の改善アドバイスも受けられる5万〜30万円
金融機関融資とセットで支援を受けられる無料〜5万円
商工会議所・商工会地域密着型の支援が受けられる無料
補助金コンサルタント申請書作成の代行含む包括支援着手金10万〜50万円+成功報酬

認定支援機関の検索方法

中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」で、地域・専門分野を指定して検索できます。顧問税理士が認定支援機関に登録しているか、まず確認することをおすすめします。

jGrantsでの電子申請手順(概要)

jGrants(Jグランツ)での申請手順の概要です。詳細な画面操作については別記事で解説しています。

  • jGrantsにGビズIDプライムでログイン
  • 「新事業進出補助金」の公募を検索して選択
  • 申請フォームに基本情報(企業情報・事業概要等)を入力
  • 事業計画書・添付書類をPDFでアップロード
  • 入力内容を確認し、「申請」ボタンをクリック
  • 申請完了メールの受信を確認

申請時の注意

jGrantsのアップロード上限はファイルあたり10MB程度です。事業計画書に高解像度の写真を多数掲載している場合、ファイルサイズが超過する場合があります。PDFの圧縮ツールでサイズを調整してください。また、申請直後の「申請完了通知メール」は必ず保存してください。

【Step 6】書面審査と口頭審査の実施

申請後、事務局による書面審査が行われます。書面審査を通過した事業者は、口頭審査(面接審査)に進みます。

書面審査のプロセス

書面審査では、複数の外部審査員が事業計画書を評価します。審査員1名が担当する申請件数は多いため、分かりやすく要点が整理された計画書が有利です。

審査の流れ期間結果通知
申請受付公募期間内受付確認メール
形式審査(書類不備チェック)1〜2週間不備がある場合のみ通知
書面審査(内容評価)1〜2ヶ月口頭審査対象者に通知

口頭審査の対策

口頭審査はオンライン(Web会議)で実施されることが一般的です。所要時間は15〜20分程度で、審査員から事業計画の内容について質問を受けます。

  • 事業計画書の内容を経営者自身が完璧に説明できるよう準備
  • 想定質問リスト(20〜30問)を作成して回答を練習
  • 「数字」を即答できるよう暗記(売上目標・投資額・付加価値額等)
  • 新事業の「新規性」と「自社でなければできない理由」を明確に
  • リスクへの対応策(売上未達時のシナリオ等)も準備

口頭審査の合格ポイント

口頭審査では「経営者の本気度」と「計画の理解度」が見られます。コンサルタントに計画書を書いてもらった場合でも、自分の言葉で説明できなければ不合格になります。最低3回はリハーサルを行い、想定外の質問にも対応できる準備をしてください。

【Step 7】採択通知と交付申請の手続き

採択結果は事務局の公式サイトで公表されるとともに、申請者にメールで通知されます。採択された場合、次に「交付申請」の手続きが必要です。

採択後に必要な手続き

手続き内容期限
交付申請書の提出経費の詳細内訳・見積書の提出採択通知後1ヶ月程度
交付決定の通知事務局から交付決定通知書が届く交付申請後2〜4週間
補助事業の開始交付決定日以降に発注・契約を開始交付決定日以降

最重要注意

採択=交付決定ではありません。採択通知を受けた後、交付申請を行い、交付決定通知を受けるまでは設備の発注や契約を行わないでください。交付決定前の発注は補助対象外となります。この点を勘違いする事業者が非常に多いので要注意です。

モデルスケジュール(第1回公募の場合)

時期内容備考
2026年3月事前準備開始、GビズID取得公募前から準備
2026年4月公募開始、事業計画書作成開始認定支援機関と連携
2026年6月電子申請・書類提出締切1週間前に完了
2026年8月書面審査→口頭審査口頭審査対策を並行
2026年9月採択発表事務局サイトで公表
2026年10月交付申請→交付決定交付決定後に事業開始
2027年10〜12月補助事業完了→実績報告事業期間は最大14ヶ月
2028年1〜3月確定検査→補助金入金精算払い

全体で約2年

事前準備から補助金入金まで約2年間のプロセスです。この間の資金繰りも含めて計画を立ててください。補助金は「精算払い」(後払い)のため、事業実施に必要な資金は自己資金または融資で賄う必要があります。

スムーズに申請を進めるための5つのコツ

多くの採択者が実践している、申請をスムーズに進めるためのコツを紹介します。

No.コツ具体的なアクション
1早期着手公募開始前から事業計画書のドラフトを作成開始
2認定支援機関の早期選定公募開始2ヶ月前には認定支援機関と面談を完了
3見積書の先行取得設備メーカーへの見積依頼は計画書作成と並行して実施
4チェックリストの活用公募要領の申請要件をチェックリスト化して漏れを防止
5締切の厳守jGrants申請は締切の1週間前に完了させる

最も重要なこと

採択される事業者に共通しているのは「準備期間の長さ」です。公募開始後に慌てて準備を始めた事業者の採択率は低い傾向があります。この記事を読んだ今日から、準備を開始してください。

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よくある質問(FAQ)

事前準備を含めると約2年間です。内訳は、準備期間1〜3ヶ月、申請〜採択まで3〜4ヶ月、交付申請〜交付決定まで1〜2ヶ月、補助事業期間12〜14ヶ月、実績報告〜入金まで2〜3ヶ月が目安です。

原則としてjGrants(Jグランツ)での電子申請のみです。紙での提出は受け付けられません。jGrantsの利用にはGビズIDプライムが必要で、取得に2〜3週間かかるため、早めに手続きしてください。

認定経営革新等支援機関として登録された税理士、中小企業診断士、金融機関、商工会議所等から取得できます。中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」で検索できます。顧問税理士が認定支援機関に登録していれば、最もスムーズです。

新事業進出補助金では、書面審査を通過した申請者全員が口頭審査を受けます。オンライン(Web会議形式)で実施され、所要時間は15〜20分程度です。経営者本人が対応することが原則です。

はい、申請後でも採択前であれば取り下げは可能です。事業環境の変化等で申請内容に大きな変更が生じた場合は、無理に進めるよりも取り下げて次回公募で再申請する方が良いケースもあります。

新事業進出補助金は精算払い(後払い)です。補助事業を完了し、実績報告書を提出した後、確定検査を経て補助金が入金されます。事業実施中の資金は自己資金や融資で賄う必要があるため、資金計画を事前に立てておくことが重要です。

一般的に第1回公募は予算に余裕があるため採択率が高い傾向にあります。第2回以降は残予算で採択されるため、採択率が下がることがあります。可能な限り早い回次で申請することをおすすめします。

申請自体に費用はかかりません。ただし、認定支援機関への報酬(確認書発行の手数料)、コンサルタントへの支援費用などが発生する場合があります。これらの費用は補助対象外ですので、自己負担となります。

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