事業計画書を書く前に、6項目を1枚に整理する
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、経営戦略、市場、優位性、実行体制、数値根拠を具体的につなげて説明します。先に設備の型番から書き始めると、投資がなぜ必要かが伝わりにくくなります。公募要領 本文43ページ:記載事項と作成のポイント、公募要領 本文44ページ:書面審査を確認し、まず次の順で材料をそろえましょう。
以下は当サイトの準備用整理例で、公式の申請様式ではありません。
| 整理する項目 | 書く内容 | 裏付けの例 |
|---|---|---|
| 現在の事業 | 誰に、何を、どう販売し、どこに経営課題があるか | 決算書、商品別売上、既存顧客の構成 |
| 新しい顧客 | 顧客の属性と解決したい課題 | ヒアリング記録、公開統計、商談記録 |
| 提供価値 | 新製品・新サービスで何が変わるか | 試作結果、性能比較、顧客の評価 |
| 競合との差 | 価格以外も含め、選ばれる理由は何か | 比較条件をそろえた競合表、納期・品質の根拠 |
| 投資と体制 | どの工程に設備が必要で、誰が実行するか | 工程表、仕様書、役割分担、採用・育成計画 |
| 収支と継続性 | 数量・単価・費用・賃上げをどう成立させるか | 販売計画、見積書、資金繰り表、給与計画 |
3つの枠で、新規性の説明を変える
「新しいことをする」という表現だけでは、申請枠への対応が分かりません。対象枠を決めたうえで、既存事業と新事業の比較軸を明確にします。
| 申請枠 | 本文に必要な比較 | 確認したい証拠 |
|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 自社技術を使って何を開発し、同業他社の既存製品とどこが異なるか | 性能・機能・提供方法の比較、開発課題と検証方法 |
| 新事業進出枠 | 自社で過去に扱っていない製品等か。既存顧客とニーズ・属性がどう異なるか | 既存と新規の製品・顧客対比、顧客調査 |
| グローバル枠 | 自社主導で開拓する国・地域と、国内の輸出体制をどう強化するか | 既存輸出先との比較、海外顧客調査、国内工程との対応 |
業種名を変えるだけ、商圏を広げるだけ、取引先の依頼に従うだけでは、要件を説明したことになりません。公募要領 本文6ページ:革新的新製品・サービス枠、公募要領 本文7ページ:新事業進出枠、公募要領 本文9ページ:グローバル枠を照合してください。
仮想例:年間売上を単価・件数・能力に分解する
以下は説明用の仮想計算です。採択事例・当社実績・売上保証ではありません。新サービスを1件30万円で、月5件提供すると仮定すると、年間売上は30万円×5件×12か月=1,800万円です。
| 前提 | 標準ケース | 下振れケース |
|---|---|---|
| 1件当たり売上 | 30万円 | 30万円 |
| 月間件数 | 5件 | 3件 |
| 年間売上 | 1,800万円 | 1,080万円 |
| 1件当たり変動費 | 12万円 | 12万円 |
| 年間の売上−変動費 | 1,080万円 | 648万円 |
| 固定費を年600万円とした差額 | 480万円 | 48万円 |
この差額は単純な収支の整理で、公募要領上の付加価値額や税引後利益を計算したものではありません。減価償却費、人件費、借入返済、税等は、自社の会計と資金繰りに分けて確認します。
次に「月5件」を支える材料を書きます。仮に月10件の商談と成約率50%を置くなら、商談獲得経路と過去データが必要です。新事業で実績がなければ、テスト販売や顧客調査の結果と、まだ検証できていない仮定を区別します。必要作業が1件20時間なら月100時間の担当者稼働を確保できるかも確認してください。