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新事業進出補助金の対象経費9区分と対象外経費の注意点

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新事業進出補助金の対象経費9区分の全体像

新事業進出補助金で補助を受けられる経費は、公募要領で定められた9つの区分に限定されています。新事業への進出に「直接的に必要」な経費のみが対象であり、汎用的な経費や間接費は対象外です。

経費区分を正しく理解することは、事業計画書の策定と適正な経費管理の両面で不可欠です。ここでは各区分の詳細と、申請者がよく間違えるポイントを解説します。

No.経費区分主な内容
1建物費施設の建設・改修費用
2機械装置・システム構築費設備・IT投資
3技術導入費特許・ライセンス取得費
4専門家経費コンサルタント等の報酬
5運搬費機材の搬入・配送費
6クラウドサービス利用費SaaS・IaaS利用料
7外注費加工・設計の外注費
8知的財産権等関連経費特許出願等の経費
9広告宣伝・販売促進費新製品のPR費用

ポイント

対象経費は「補助事業期間内」に発注・納品・支払いが完了したものに限られます。交付決定前の発注や、事業期間終了後の支払いは対象外となるため、スケジュール管理が極めて重要です。

【区分1】建物費:施設の建設・改修にかかる費用

建物費は、新事業の実施に不可欠な施設の建設や既存施設の改修にかかる費用です。他の補助金では建物費が対象外となるケースが多いですが、新事業進出補助金では主要な経費区分の一つです。

建物費として認められるもの

  • 新事業用の工場・店舗・倉庫の建設費
  • 既存施設の改修工事費(新事業に必要な改修に限る)
  • 設備の設置に伴う付帯工事費(電気工事・配管工事等)
  • 建物の撤去費(新施設建設のために必要な場合)

建物費として認められないもの

  • 土地の取得費・賃借料(土地は対象外)
  • 不動産取得に関する仲介手数料
  • 既存事業のための改修(新事業と無関係な改修)
  • 豪華すぎる内装工事(事業に不相応な装飾等)

注意

建物費は総事業費に占める割合の上限が設定される場合があります(公募回により異なる)。建物費中心の計画を立てる場合は、事前に上限比率を確認してください。

【区分2】機械装置・システム構築費:設備・IT投資の中心

機械装置・システム構築費は、新事業進出補助金で最も利用頻度が高い経費区分です。製造設備の導入からITシステムの開発まで、幅広い投資が対象になります。

対象となる具体的な経費

種類具体例備考
製造設備工作機械、食品加工機械、印刷機新品に限る(中古は条件付き)
ITシステム基幹システム開発、ECサイト構築カスタム開発・パッケージ導入いずれも可
検査・測定機器品質検査装置、センサー類新事業に直接必要なものに限る
ソフトウェア業務用ソフト、CAD/CAM、AI分析ツールライセンス費を含む
車両事業用特殊車両(キッチンカー等)汎用車両は対象外

中古品の取扱い

原則として新品が対象ですが、一定の条件(3社以上からの相見積もり取得、中古品である合理的な理由の説明等)を満たせば中古品も対象となるケースがあります。公募要領で最新の条件を確認してください。

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【区分3〜5】技術導入費・専門家経費・運搬費

区分3〜5は個別の支出額は小さいことが多いですが、事業計画に欠かせない経費です。

技術導入費(区分3)

技術導入費は、新事業に必要な技術やノウハウを外部から導入するための費用です。

  • 特許権・実用新案権・意匠権のライセンス取得費
  • 技術提携に基づくロイヤリティ(補助事業期間分に限る)
  • ノウハウの導入に伴う技術指導料

ただし、知的財産権そのものの「購入」は知的財産権等関連経費(区分8)に分類されるため、混同しないよう注意してください。

専門家経費(区分4)

専門家経費は、新事業の実施にあたって外部の専門家に依頼する際の報酬です。

  • コンサルタント報酬(事業計画策定支援、マーケティング支援等)
  • 弁理士・弁護士の報酬(知財戦略策定、契約書作成等)
  • 技術者・デザイナーの技術指導料

上限に注意

専門家経費には1日あたりの単価上限が設定されています。大学教授等は1日5万円、それ以外の専門家は1日2万円程度が目安です(公募回により変動)。

運搬費(区分5)

運搬費は、機械設備等の搬入や原材料の運搬にかかる費用です。新規に導入する設備の運搬費が該当しますが、日常的な配送費は対象外です。

【区分6〜7】クラウドサービス利用費・外注費

DX関連の投資やシステム開発のアウトソーシングで頻繁に利用される区分です。

クラウドサービス利用費(区分6)

クラウドサービス利用費は、新事業の運営に必要なクラウドサービスの利用料です。

対象になるもの対象にならないもの
新事業専用のSaaS月額利用料既存事業でも使用している汎用サービス
IaaS/PaaS利用料(AWS、Azure等)プライベート利用のストレージ
AI分析ツールのクラウド利用料一般的なメールサービス
ECプラットフォームの月額費用通信回線費

クラウドサービス利用費は「補助事業期間分」に限られます。年間契約の場合、事業期間に該当する月数分のみ補助対象です。

外注費(区分7)

外注費は、新事業の製品開発や加工を外部に委託する際の費用です。

  • 製品の加工・組立の外注費
  • 設計・試作の委託費
  • 検査・分析の外注費

注意

外注先が関連会社(役員の兼任、資本関係がある企業)の場合、利益相反の観点から補助対象外となるケースがあります。外注先の選定には相見積もりを取得し、取引の適正性を示す必要があります。

【区分8〜9】知的財産権等関連経費・広告宣伝費

新事業の知的財産保護やプロモーションに関する経費です。

知的財産権等関連経費(区分8)

新事業に伴う知的財産権の取得・保全にかかる費用です。

  • 特許出願に係る弁理士報酬・特許庁手数料
  • 商標登録の出願費用
  • 実用新案・意匠の出願費用

ただし、海外出願費用は対象外となるケースが多いため、事前に確認してください。

広告宣伝・販売促進費(区分9)

新事業の製品・サービスを市場に投入するための広告宣伝費です。

対象になるもの対象にならないもの
新製品のパンフレット・カタログ制作費既存事業の広告費
Webサイト構築費(新事業専用)SNS広告の運用代行費(条件付き)
展示会出展費(ブース設営・装飾費)展示会への渡航費・宿泊費
動画制作費(商品PR動画等)会社全体のブランディング費用
新聞・雑誌への広告掲載費テレビCM(高額すぎる場合は不適切)

ポイント

広告宣伝費は補助対象経費全体に占める上限比率が設定されることがあります。「広告費だけで補助金を使う」ことはできないため、設備投資やシステム構築と組み合わせた計画にしましょう。

対象外経費の一覧と注意すべき落とし穴

以下の経費は、新事業進出補助金の対象外です。これらを事業計画に含めてしまうと、実績報告の段階で否認され、想定していた補助金額が減額される恐れがあります。

対象外経費理由
人件費(自社従業員の給与)補助事業の実施体制の一部であり、直接経費に該当しない
土地の取得費・賃借料資産性が高く補助金の趣旨にそぐわない
消費税仕入税額控除で回収できるため
汎用品(PC・タブレット・プリンタ等)新事業以外にも使用可能な汎用品
通信費・光熱費事業全般の間接費に該当
交通費・宿泊費出張費は原則対象外
保険料間接費に該当
振込手数料金融費用に該当

よくある落とし穴

汎用的なPCやタブレットは原則対象外ですが、「AIシステムの専用端末」「工場のライン制御専用PC」など、新事業に専用で使用し他に転用しないことが証明できれば対象となるケースがあります。判断に迷う場合は事務局に事前相談してください。

経費管理と証拠書類の保管ルール

補助事業で支出した経費は、すべて証拠書類で裏付ける必要があります。証拠書類が不備の場合、その経費は補助対象外として否認されます。

必要書類内容注意事項
見積書発注前に取得(50万円以上は2社以上)日付入りで保管
発注書(注文書)発注内容・金額を明記交付決定日以降の日付が必要
契約書大型案件は契約書を締結双方の署名・捺印が必要
納品書物品・役務の納品確認検収日を記録
請求書請求金額と経費内訳発注書との金額整合性
振込明細銀行振込の記録現金払いは原則不可

管理のコツ

経費ごとにファイル(クリアフォルダ等)を分けて、「見積書→発注書→納品書→請求書→振込明細」のセットで管理すると、実績報告や確定検査がスムーズに進みます。電子データのバックアップも忘れずに取っておきましょう。

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よくある質問(FAQ)

いいえ、自社従業員の人件費は補助対象外です。新事業進出補助金では、あくまで外部への支払い(設備購入、外注費等)が対象です。人件費を含む補助金をお探しの場合は、ものづくり補助金の一部枠やキャリアアップ助成金などをご検討ください。

汎用的なPCやタブレットは原則対象外です。ただし、新事業の専用設備として使用し、他の用途に転用しないことが証明できる場合は、「機械装置・システム構築費」として認められる可能性があります。事前に事務局に確認することをおすすめします。

50万円以上の支出については原則2社以上から見積書を取得する必要があります(相見積もり)。100万円を超える場合は3社以上が望ましいとされています。見積書には日付・会社名・金額の明記が必須です。

原則として対象外です。交付決定の通知を受ける前に発注・契約した経費は補助対象に含まれません。ただし、「事前着手制度」が設けられる場合は、申請日以降の発注が例外的に認められるケースがあります。公募要領で最新の条件を確認してください。

含まれません。補助対象経費はすべて税抜金額で計算されます。例えば、設備費が1,100万円(税込)の場合、補助対象となるのは1,000万円(税抜)です。補助率1/2なら補助金は500万円となります。

広告宣伝費のみでの申請は原則として認められません。新事業進出補助金は設備投資やシステム構築を中心とした補助金であり、広告宣伝費は補助対象経費全体の一定割合以内に制限されることがあります。設備投資と組み合わせた計画にしてください。

補助事業期間に該当する月数分のみが対象です。例えば、年間契約60万円のサービスで補助事業期間が6ヶ月の場合、対象となるのは30万円(6ヶ月分)です。補助事業期間外の利用料は自己負担となります。

補助金の交付決定日から起算して5年間(場合によっては10年間)の保管が求められます。紙の書類だけでなく、電子データのバックアップも推奨されています。保管期間内に書類を紛失すると、補助金返還を求められるリスクがあります。

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