新事業進出補助金の補助率・補助上限額の全体像
新事業進出補助金は、企業規模(中小企業 or 中堅企業)と従業員数によって補助率と補助上限額が異なります。補助下限額は一律750万円で、総事業費に換算すると最低1,500万円(中小企業の場合)以上の事業計画が必要です。
まずは全体像を俯瞰しましょう。以下の表で、自社がどの区分に該当するかを確認してください。
| 企業区分 | 従業員数 | 補助率 | 補助上限額 | 補助下限額 |
|---|---|---|---|---|
| 中小企業 | 20人以下 | 1/2 | 1,500万円 | 750万円 |
| 中小企業 | 21〜50人 | 1/2 | 3,000万円 | 750万円 |
| 中小企業 | 51〜100人 | 1/2 | 5,000万円 | 750万円 |
| 中小企業 | 101人以上 | 1/2 | 7,000万円 | 750万円 |
| 中堅企業 | 規模問わず | 1/3 | 7,000万円〜9,000万円 | 750万円 |
ポイント
従業員数は「常勤従業員」の数で判定されます。パート・アルバイトは原則カウントされませんが、社会保険加入者は含まれるケースがあります。公募要領で最新の定義を必ず確認してください。
中小企業の補助率1/2:従業員規模別の上限額を詳しく解説
中小企業は補助率が一律1/2です。つまり、補助対象経費の半額が補助金として支給されます。ただし、補助上限額は従業員数に応じて4段階に分かれています。
従業員20人以下:上限1,500万円
小規模事業者に該当する企業の区分です。上限1,500万円は新事業進出補助金の中では最も小さい枠ですが、それでも総事業費3,000万円規模の投資が可能です。
| 総事業費 | 補助金額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|
| 1,500万円 | 750万円(下限) | 750万円 |
| 2,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 3,000万円 | 1,500万円(上限) | 1,500万円 |
| 4,000万円 | 1,500万円(上限超過分は自己負担) | 2,500万円 |
飲食店や小売店など、少人数で運営している事業者でも、新しい業態への転換や新商品の開発ラインの構築などに活用できます。
従業員21〜50人:上限3,000万円
中規模の中小企業に多い区分です。3,000万円の補助を受けるには、総事業費6,000万円以上の計画が必要になります。
| 総事業費 | 補助金額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|
| 1,500万円 | 750万円(下限) | 750万円 |
| 3,000万円 | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 6,000万円 | 3,000万円(上限) | 3,000万円 |
| 8,000万円 | 3,000万円(上限超過分は自己負担) | 5,000万円 |
製造業のライン増設や新たなサービス拠点の開設など、まとまった設備投資を伴う事業計画に適しています。
従業員51〜100人:上限5,000万円
一定規模以上の中小企業向けの区分で、総事業費1億円規模の投資が視野に入ります。
| 総事業費 | 補助金額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|
| 1,500万円 | 750万円(下限) | 750万円 |
| 5,000万円 | 2,500万円 | 2,500万円 |
| 1億円 | 5,000万円(上限) | 5,000万円 |
工場の新設やDX投資を伴う大規模な事業転換に活用する企業が多い区分です。
従業員101人以上:上限7,000万円
中小企業の中でも最大規模の区分です。7,000万円の補助を受けるには、総事業費1億4,000万円規模の計画が必要です。
| 総事業費 | 補助金額(1/2) | 自己負担額 |
|---|---|---|
| 1,500万円 | 750万円(下限) | 750万円 |
| 7,000万円 | 3,500万円 | 3,500万円 |
| 1億4,000万円 | 7,000万円(上限) | 7,000万円 |
さらに上乗せも可能
大幅賃上げ特例を活用すれば、上限7,000万円に最大2,000万円を上乗せし、9,000万円まで拡大できます。詳しくは大幅賃上げ特例の解説記事をご覧ください。
中堅企業の補助率1/3:最大9,000万円の活用法
中堅企業(資本金10億円未満で中小企業基本法の定義に該当しない企業)は補助率が1/3となります。中小企業と比較して補助率は低くなりますが、補助上限額は最大9,000万円と大型の投資にも対応しています。
| 総事業費 | 補助金額(1/3) | 自己負担額 |
|---|---|---|
| 2,250万円 | 750万円(下限) | 1,500万円 |
| 5,000万円 | 約1,667万円 | 約3,333万円 |
| 1億円 | 約3,333万円 | 約6,667万円 |
| 2億1,000万円 | 7,000万円(上限※従業員規模による) | 1億4,000万円 |
| 2億7,000万円 | 9,000万円(最大上限) | 1億8,000万円 |
注意
中堅企業の場合、補助率1/3のため自己負担が総事業費の2/3となります。1億円規模の投資であれば約6,700万円が自社負担です。金融機関との事前相談やつなぎ融資の確保を計画段階から進めておきましょう。
中堅企業の判定基準
中堅企業に該当するかどうかは、以下の基準で判定されます。
- 中小企業基本法上の中小企業に該当しない(資本金または従業員数が基準超)
- 資本金が10億円未満である
- 大企業の完全子会社ではない(「みなし大企業」に該当しない)
例えば、製造業で資本金5億円・従業員500人の企業は、中小企業には該当しませんが中堅企業として申請が可能です。