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【2026年版】新事業進出補助金とは?制度概要・申請要件を完全解説

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新事業進出補助金とは?制度の全体像をわかりやすく解説

新事業進出補助金は、中小企業・中堅企業が新たな事業分野へ進出するための設備投資やシステム構築を国が支援する大型補助金です。2024年度まで実施されていた「事業再構築補助金」の後継制度として、2025年度(令和7年度)に新設されました。

事業再構築補助金では「コロナ後の経済環境変化への対応」が主眼でしたが、新事業進出補助金では「ポストコロナを見据えた前向きな事業転換・新分野進出」を積極的に後押しする方針へと進化しています。

制度のポイント

新事業進出補助金は「事業再構築補助金の後継」として創設されましたが、要件や審査基準が大幅に刷新されています。事業再構築補助金の経験がある方も、必ず新制度の公募要領を確認してください。

創設の背景:事業再構築補助金からの進化

事業再構築補助金は2021年度から2024年度まで計12回の公募が行われ、累計約15万件の採択実績を持つ大型補助金でした。しかし、以下の課題が指摘されていました。

  • 採択率の低下(第10回以降は30%台に低下)
  • 口頭審査の導入で申請者の負担増加
  • 補助事業終了後の事業継続率に改善の余地
  • コロナ関連要件の形骸化

これらの課題を踏まえ、新事業進出補助金では「コロナ要件」を撤廃し、代わりに「新事業進出要件」「付加価値額年率4%向上」「賃上げ要件」など、中長期的な成長を見据えた要件体系に再編成されました。

他の補助金との位置づけ比較

中小企業が活用できる主要補助金の中で、新事業進出補助金は「新分野への大型投資」に特化した位置づけです。

補助金名主な用途補助上限特徴
新事業進出補助金新分野進出・業態転換9,000万円大型投資、口頭審査あり
ものづくり補助金設備投資・生産性向上4,000万円統合予定あり
IT導入補助金ITツール導入450万円ツール選定が容易
小規模事業者持続化補助金販路開拓250万円小規模事業者限定

注目

2026年度には新事業進出補助金とものづくり補助金の統合が検討されています。最新の公募情報はこちらの記事でご確認ください。

対象者:どんな企業が申請できるのか

新事業進出補助金の対象者は、「中小企業者等」および「中堅企業等」です。個人事業主も含まれますが、一定の条件を満たす必要があります。

中小企業者等の定義

中小企業者等とは、中小企業基本法に定める中小企業者に加え、以下の法人・個人を含みます。

業種資本金従業員数
製造業・建設業・運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

資本金または従業員数のいずれか一方を満たせば中小企業に該当します。NPO法人や社会福祉法人なども、一部対象となるケースがあります。

中堅企業等の定義

中堅企業等とは、中小企業の範囲を超えるが、資本金10億円未満の企業を指します。中堅企業は補助率が1/3に下がりますが、補助上限額は中小企業と同額(最大9,000万円)で申請可能です。

注意

大企業(資本金10億円以上)は対象外です。また、「みなし大企業」(大企業の子会社等)も原則として対象外となります。出資比率や役員構成が審査されるため、親会社との関係を事前に確認しておきましょう。

個人事業主の申請条件

個人事業主も申請可能ですが、以下の条件を満たす必要があります。

  • 確定申告(青色申告)を直近2期以上行っていること
  • 事業の実態があること(副業レベルでは不可)
  • GビズIDプライムを取得済みであること
  • 申請時点で開業届を提出済みであること

なお、個人事業主の場合も補助率・補助上限額は中小企業と同じ扱いになります。ただし、従業員がいない場合は「賃上げ要件」の適用が異なる点にご注意ください。

補助率と補助上限額:最大9,000万円の支援内容

新事業進出補助金の補助率と補助上限額は、企業規模(中小企業か中堅企業か)と従業員数によって異なります。

区分補助率補助上限額補助下限額
中小企業(従業員20人以下)1/21,500万円750万円
中小企業(従業員21〜50人)1/23,000万円750万円
中小企業(従業員51〜100人)1/25,000万円750万円
中小企業(従業員101人以上)1/27,000万円750万円
中堅企業1/37,000万円〜9,000万円750万円

自己負担の目安

中小企業(補助率1/2)の場合、総事業費3,000万円のプロジェクトなら自己負担は1,500万円です。中堅企業(補助率1/3)の場合は同じ総事業費で自己負担が2,000万円となります。資金計画は余裕を持って立てましょう。

さらに、大幅賃上げ特例を活用すれば、補助上限額に最大2,000万円を上乗せすることが可能です。詳しくは該当記事をご覧ください。

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5つの申請要件:すべてクリアが必須

新事業進出補助金に申請するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。一つでも欠けると申請が受理されません。

重要

5つの要件は「申請時の計画」で満たすだけでなく、補助事業終了後の報告期間(3〜5年間)にわたって達成状況がモニタリングされます。未達成の場合は補助金返還を求められる可能性があります。

  1. 新事業進出要件:新たな製品・サービスを生み出す取組み、または既存事業の提供方法を大幅に変更する取組みであること
  2. 付加価値額要件:補助事業終了後3〜5年で付加価値額を年率平均4%以上向上させる計画であること
  3. 賃上げ要件:事業計画期間内に給与支給総額を年率平均2%以上向上させること
  4. 最低賃金要件:事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすること
  5. ワークライフバランス要件:各種ワークライフバランス関連の取組みを行うこと

各要件の詳細な判定基準や実務上のポイントは5つの申請要件 完全解説をご覧ください。

対象経費の概要:9区分の基本を理解する

新事業進出補助金で認められる対象経費は、大きく9つの区分に分類されます。新分野進出に直接必要な経費が対象であり、汎用的な経費や間接費は対象外です。

区分経費の例
建物費新事業用の施設建設・改修費用
機械装置・システム構築費製造設備、ITシステム開発費
技術導入費特許権・実用新案権の取得費
専門家経費コンサルタント・弁理士等の報酬
運搬費機材の運搬・搬入費
クラウドサービス利用費SaaS・クラウド利用料
外注費加工・設計の外注費
知的財産権等関連経費特許出願等にかかる経費
広告宣伝・販売促進費新製品のプロモーション費

各経費区分の詳細ルールと対象外経費の落とし穴については、対象経費9区分 完全ガイドをご確認ください。

申請スケジュールと審査の流れ

新事業進出補助金の申請から交付決定までは、おおむね3〜5ヶ月を要します。計画的な準備が採択への鍵となります。

申請から採択までのタイムライン

ステップ所要期間内容
1. GビズIDプライム取得2〜3週間電子申請に必須のアカウント取得
2. 事業計画書作成1〜2ヶ月認定支援機関と連携して作成
3. 電子申請1日jGrants(Jグランツ)で提出
4. 書面審査1〜2ヶ月外部審査員が事業計画を評価
5. 口頭審査1日(15分程度)オンラインで事業計画を説明
6. 採択発表書面審査後約1ヶ月Webサイトで公表
7. 交付申請・決定2〜4週間採択後に正式な交付申請

GビズIDプライムの事前準備

電子申請にはGビズIDプライムが必須です。アカウント発行には2〜3週間かかるため、申請を検討し始めた段階で早めに取得しておきましょう。

準備のコツ

GビズIDプライムの取得方法と準備スケジュールの詳細はこちらの記事で解説しています。公募開始の1ヶ月前には取得を完了させることをおすすめします。

審査のポイント:採択率を上げるために

新事業進出補助金の審査は「書面審査」と「口頭審査」の2段階で行われます。採択率は公募回によって異なりますが、概ね30〜50%程度と言われています。

主な審査基準

書面審査では以下の観点から事業計画が評価されます。

  • 事業化点:事業の実現可能性、収益性、市場性
  • 再構築点:新事業進出の必要性、事業転換の合理性
  • 政策点:国の政策との整合性、地域経済への貢献
  • 加点項目:賃上げ加点、デジタル技術活用加点など

特に「事業の実現可能性」と「市場分析の具体性」が重要視されます。数値目標を根拠とともに明示することが採択への近道です。

加点項目の活用

新事業進出補助金には9つの加点項目が設定されています。加点項目をできるだけ多く満たすことで、採択率を大幅に向上させることが可能です。

採択のコツ

加点項目の詳細と具体的な対策は加点項目9つの完全ガイドをご覧ください。事前に取得可能な加点(経営革新計画の承認など)は早めに着手しましょう。

採択後の流れと注意事項

新事業進出補助金は「採択されて終わり」ではありません。採択後には交付申請、補助事業の実施、実績報告、確定検査という複数のステップが待っています。

  • 交付申請:採択後2週間以内に交付申請書を提出
  • 補助事業実施:交付決定後、原則12ヶ月以内に事業を完了
  • 実績報告:事業完了後30日以内または補助事業期間終了日のいずれか早い日までに報告
  • 確定検査:証拠書類の確認、現地調査が行われる場合あり
  • 補助金入金:確定検査完了後に精算払い(概算払いの制度もあり)

採択後の詳細な手続きフローについては採択後の流れ完全ガイドをご参照ください。

重要な注意事項

補助事業期間中は、経費の支払いをすべて証拠書類で管理する必要があります。見積書・発注書・納品書・請求書・振込明細のセットが揃わない経費は補助対象外となるため、日頃からの書類管理を徹底してください。

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よくある質問(FAQ)

新事業進出補助金は事業再構築補助金の後継制度です。主な違いは、(1)コロナ関連の売上減少要件が撤廃された、(2)「新事業進出要件」に一本化された、(3)口頭審査が全申請者に実施される、(4)ワークライフバランス要件が追加された、の4点です。補助率・補助上限額の基本的な枠組みは類似しています。

はい、個人事業主も申請可能です。ただし、確定申告(青色申告)を直近2期以上行っていること、事業の実態があること、GビズIDプライムを取得済みであることが条件です。補助率・補助上限額は中小企業と同じ扱いになります。

補助金は「後払い(精算払い)」が原則です。採択後に補助事業を実施し、実績報告→確定検査を経て入金されるため、採択から入金まで1年〜1年半程度かかることが一般的です。事業費は一旦自社で立て替える必要があるため、つなぎ融資の検討もおすすめします。

はい、必須です。新事業進出補助金の申請には、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)による「確認書」が必要です。認定支援機関には、商工会議所・商工会、金融機関、税理士・中小企業診断士等が登録されています。事業計画作成の段階から連携することをおすすめします。

企業規模で決まります。中小企業者等は補助率1/2、中堅企業等は補助率1/3です。中小企業基本法上の中小企業に該当するかどうか(資本金・従業員数の基準)で判定されます。

はい、不採択となった場合でも次回以降の公募に再申請することは可能です。ただし、前回と同じ事業計画を修正なしで再提出しても採択は難しいため、審査結果を踏まえて計画を改善した上で再申請しましょう。なお、過去に事業再構築補助金で採択された案件と同一テーマでの申請は認められない場合があります。

主な必要書類は、(1)事業計画書(15ページ以内)、(2)認定支援機関の確認書、(3)直近2期分の決算書(個人は確定申告書)、(4)従業員名簿、(5)賃金台帳、(6)GビズIDプライムのアカウント情報です。加点を希望する場合は、経営革新計画の承認書などの追加書類も必要になります。

補助金額の下限が750万円ということは、中小企業(補助率1/2)の場合、総事業費が最低1,500万円以上の事業計画でなければ申請できないことを意味します。小規模な投資には向かない補助金であり、一定規模以上の新事業進出を検討している企業向けの制度です。

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