目次

IT・Webサービス業の新事業進出補助金2026|SaaS・AI新規事業への転換採択事例集

専門家1 専門家2 専門家3

新事業の補助金申請、プロに任せませんか?

採択実績豊富な中小企業診断士・行政書士が無料で診断します

無料相談

この記事の結論

日本のIT・Webサービス市場は拡大を続けていますが、業界内の競合は激化しており、受託型のWeb制作・システム開発を主力とする中小企業の多くが収益モデルの転換を迫られています。IDC Japanの調査(2024年)によると、国内ITサービス市場は年率約5〜6%で成長しているものの、その恩恵を受けているのは主に大手ベンダ

IT・Webサービス業界の現状と新事業進出が求められる背景

日本のIT・Webサービス市場は拡大を続けていますが、業界内の競合は激化しており、受託型のWeb制作・システム開発を主力とする中小企業の多くが収益モデルの転換を迫られています。IDC Japanの調査(2024年)によると、国内ITサービス市場は年率約5〜6%で成長しているものの、その恩恵を受けているのは主に大手ベンダーとクラウドネイティブな事業者です。

一方、Web制作会社・受託開発会社の多くは、人件費・クラウドコストの上昇と単価の伸び悩みに直面しており、受託モデルから自社プロダクト(SaaS)・AI活用サービス・BPO(業務プロセスアウトソーシング)への転換が経営課題となっています。新事業進出補助金は、こうした転換を資金面で後押しする制度として、IT・Web業界の中小企業からも注目を集めています。

IT・Webサービス業が新事業進出を求められる3つの構造変化

  • 生成AI普及による受託開発単価の下落圧力:ChatGPT・GitHub Copilot等の普及でコーディング工数が減少し、受託開発の相場が下落傾向にあります。技術力だけでの差別化が困難になりつつあります。
  • クラウドシフトによる既存顧客のニーズ変化:顧客のDX化が進み、スクラッチ開発からSaaSへの移行が加速。受託案件が減り、SaaS導入支援・カスタマイズ対応にシフトする必要があります。
  • 人材獲得競争の激化と労務コスト上昇:エンジニア採用コストが高騰しており、高付加価値なプロダクト・サービスへの転換なしに利益率を維持することが難しくなっています。

IT・Web業界の新事業進出トレンド:どの方向への転換が採択されやすいか

新事業進出補助金の採択事例(事業再構築補助金含む過去採択データ)を見ると、IT・Web業界では以下の転換パターンが評価されやすい傾向があります。

転換パターン 代表的な事例 補助金との親和性
受託開発からSaaSプロダクト開発へ 業界特化型SaaS(飲食・建設・医療向け)の新規開発 高(新市場・新収益モデル)
Web制作から生成AI新サービスへ AI文章生成ツール・AI画像制作・生成AIコンサル事業 高(新技術×新分野)
システム開発からBPO事業へ 自社開発ツール+業務代行の一体型サービス 中〜高(人材・設備投資あり)
デジタルマーケから教育・研修事業へ Webマーケ企業がオンライン研修SaaSに参入 中(学習管理システム等の開発投資が必要)
IT事業者が物理×デジタル融合(OMO)へ EC運営代行+物流サービスの一体提供 高(物流設備投資あり・新市場明確)

出典:中小企業基盤整備機構「新事業進出補助金」公募要領(第4回・2026年)、中小企業庁「事業再構築補助金採択事例集」をもとに構成。

IT業界の新事業進出補助金申請における特有の課題

IT・Web業界が補助金申請で陥りやすい3つの落とし穴

  • 「自社DX化」は新事業進出に該当しない:既存事業の効率化(CRM導入・社内ツール開発など)は補助対象外です。あくまで「外部市場へ向けた新たな事業への進出」が要件です。
  • 新規性の証明が難しい:IT分野では「似たサービスが既にある」と判断されるリスクがあります。既存サービスとの差別化・市場調査データを用いた新規性の論拠が必要です。
  • 「ソフトウェア開発費のみ」では採択されにくい:補助対象経費として機械装置・システム構築費が認められますが、人件費・外注費主体の計画は審査で懸念を持たれやすいです。クラウドインフラ費用・専門家経費・広告宣伝費との組み合わせが有効です。

これらの課題を乗り越えるには、事業計画書において「何を作るか」ではなく「どの市場で誰に売るか・売上はいつ・どこから立つか」を具体的数値で示すことが重要です。

新事業進出補助金の制度概要(2026年・第4回公募)

新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進補助金・運営:中小企業基盤整備機構)は、2024年度に終了した「事業再構築補助金」の後継制度として2024年秋に創設されました。中小企業・小規模事業者・個人事業主が新規事業へ進出するために必要な設備投資・システム構築・専門家活用・広告宣伝費用に対し、最大9,000万円まで補助を受けられます。

2026年第4回公募の基本スペック(IT・Web業界向け要点)

項目内容
補助率1/2(地域別最低賃金引上げ特例適用時は2/3)
補助下限額750万円(これ未満の事業計画では申請不可)
補助上限額(通常)従業員20人以下:2,500万円 / 21〜50人:4,000万円 / 51〜100人:5,500万円 / 101人以上:7,000万円
補助上限額(賃上げ特例)従業員20人以下:3,000万円 / 101人以上:9,000万円(中間規模も増額)
申請受付期間2026年5月19日(火)〜6月19日(金)18:00(第4回・終了)
採択発表予定2026年9月末頃(予定)
電子申請Jグランツ(jGrants)経由・GビズIDプライム必須

出典:中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出促進補助金 公募要領(第4回)」(2026年3月27日公表)

申請資格:IT・Webサービス業が対象になる条件

以下の要件をすべて満たす中小企業・小規模事業者・個人事業主が対象です。IT・Webサービス業(情報通信業)は業種制限なく申請可能です。

  • 規模要件:中小企業基本法上の中小企業(資本金3億円以下・従業員300人以下)または個人事業主
  • 新事業進出要件:現在の主力事業とは異なる新規事業分野への進出であること。「現行のIT事業をそのまま拡大する」は不可
  • 付加価値額要件:補助事業終了後の3〜5年間で付加価値額の年平均成長率が4.0%以上増加する計画
  • 賃上げ要件:1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる計画(賃上げ特例は最低賃金連動)
  • GビズIDプライム取得済み:電子申請に必須(取得まで2〜3週間かかるため早めの準備が必要)

IT・Web業界特有の「新事業進出要件」の判断基準

IT業界で「新事業進出」と認められるかどうかの鍵は、提供価値・顧客・収益モデルが既存事業と明確に異なることです。「Web制作」から「BtoB-SaaSプロダクト販売」への転換、「受託開発」から「AIを活用したBPO事業の展開」への転換などは新事業進出に該当する可能性が高いです。一方、「既存の開発案件に生成AIを組み込んで効率化する」だけでは新事業進出と認められません。

IT業界で対象になる主な補助対象経費の内訳

新事業進出補助金の補助対象経費は、IT・Webサービス業の新規事業においても幅広く認められます。

経費区分 IT・Web業界での具体例 注意点
機械装置・システム構築費 新SaaSプラットフォームの開発費・AIシステム構築費・サーバー・GPU機材 最も主要な経費区分。外注開発費も含む
建物費・建物改修費 新事業のオフィス改装・BPOセンター設置工事 補助率が低い場合あり。規模・要件確認要
専門家経費 申請代行コンサル費・法務顧問費・UI/UXデザイナー外注費 総補助額の一定割合が上限
クラウドサービス利用費 AWS/GCP/Azure等の初期費用・新事業向けSaaS利用料 既存事業に流用不可・新事業専用であること
広告宣伝費・マーケティング調査費 新規事業のランディングページ制作費・Web広告費・市場調査委託費 全体の一定割合が上限
研修費 新事業に必要な技術習得のための外部研修・資格取得費 既存スキルアップは対象外

出典:中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出促進補助金 公募要領(第4回)」をもとに作成。最新の対象経費・上限は必ず公式公募要領で確認してください。

IT・Webサービス業の新事業進出補助金 採択モデルケース

以下の採択モデルケースは、事業再構築補助金および新事業進出補助金の採択傾向・公開採択データをもとに構成した参考事例(モデルケース)です。特定企業の採択情報ではありません。実際の採択状況は中小企業基盤整備機構の公式サイトで確認してください。

ケース1:受託Web制作会社が飲食業界向けSaaSを開発(採択モデル)

モデルケース概要

従業員15名の受託Web制作会社。飲食店向けWebサイト制作を主力としていたが、顧客の予約システム・メニュー管理・売上分析ニーズを捉えて、飲食業界特化型SaaS(月額3万円・年契約)の新規開発に転換。

項目内容
業種転換の軸受託型(プロジェクト収益)から自社SaaS(ストック型収益)へ
新規性の根拠既存の汎用予約SaaSにはない「メニュー×座席×売上の統合分析機能」を新開発。中小飲食店特化で大手SaaSの100分の1の価格帯を実現
申請した主要経費SaaSプラットフォーム開発費(外注費含む)・UIデザイン費・初期クラウドインフラ費・広告宣伝費
補助申請額の目安約1,800万円(補助率1/2・総事業費約3,600万円)
採択のポイント受託Web制作との事業ドメインの明確な違い・既存顧客基盤を活かした初期販路の具体的計画・3年後の売上目標(MRR500万円)の積算根拠

ケース2:業務系システム開発会社が生成AI活用BPO事業に参入(採択モデル)

モデルケース概要

従業員35名の中堅システム開発会社。ERPカスタマイズ・基幹系開発を主力としていたが、生成AIを活用した「ドキュメント自動生成BPO」(契約書・仕様書・議事録の自動作成代行)事業に参入。

項目内容
業種転換の軸システム開発(一括請負)からBPO+AI活用サービス(月額継続)へ
新規性の根拠大手法律事務所・コンサル向けに特化した「法令遵守チェック機能付き」ドキュメント自動生成。汎用的なAIライティングツールとは異なる業種特化の差別化を明示
申請した主要経費AIシステム構築費・GPUサーバー(推論環境)・BPOオペレーション構築費(セキュリティ対応含む)・外部コンサル費・人材採用研修費
補助申請額の目安約3,200万円(補助率1/2・総事業費約6,400万円)
採択のポイント法律・コンサル業界に絞った市場調査データの提示・既存開発案件との差別化(受託開発は継続しつつ新事業として独立)・セキュリティ体制の具体的記述(情報漏えいリスク管理)

ケース3:デジタルマーケ会社がAI学習SaaS事業を立ち上げ(採択モデル)

モデルケース概要

従業員8名のデジタルマーケティング会社。SEO・広告運用代行を主力としていたが、企業向けデジタルマーケ人材育成SaaS(eラーニング+AI添削機能)の新規開発に参入。

項目内容
業種転換の軸マーケ代行(労働集約型)からEd-Tech SaaS(スケール型)へ
新規性の根拠「実際の広告運用データを使った演習問題生成」という既存Ed-Techにない機能。自社のマーケノウハウをコンテンツ化した参入障壁を明示
申請した主要経費LMSプラットフォーム開発費・AI添削機能開発費・コンテンツ制作費・初期マーケティング費
補助申請額の目安約1,200万円(補助率1/2・総事業費約2,400万円)
採択のポイント既存マーケ代行事業との事業ドメインの違いを数値で説明(収益モデル・収益タイミング・顧客セグメントが全て異なる)・Ed-Tech市場の成長データ(矢野経済・民間調査)を根拠として使用

ケース4:Webホスティング会社がIoT×クラウド管理サービスに転換(採択モデル)

モデルケース概要

従業員25名のレンタルサーバー・ホスティング会社。中小企業向けサーバー運用保守を主力としていたが、製造業向けIoTデバイス管理プラットフォーム(クラウド型)の新規開発に参入。

項目内容
業種転換の軸Webインフラ運用(BtoBto消費者)からIoTプラットフォーム(製造業BtoB特化)へ
新規性の根拠既存のホスティング技術を製造現場向けエッジコンピューティングに応用。「工場内ネットワーク対応」「オンプレミス/クラウドハイブリッド構成」という大手IoTベンダーにない中小製造業向け設計
申請した主要経費IoTプラットフォーム開発費・デモ環境構築費(製造工場向け機材)・セキュリティ認証費・顧客獲得マーケティング費
補助申請額の目安約2,600万円(補助率1/2・総事業費約5,200万円)
採択のポイント製造業市場における自社競合優位性の具体的記述・PoC(概念実証)先企業との協力覚書・技術的実現可能性の根拠(特許調査結果・技術アドバイザーの見解)
専門家1 専門家2 専門家3

新事業の補助金申請、プロに任せませんか?

採択実績豊富な中小企業診断士・行政書士が無料で診断します

無料相談

IT・Web業界向け:採択される事業計画書の書き方ガイド

新事業進出補助金の事業計画書は20〜30ページ程度のWordまたはPDF文書です。IT業界の採択事例分析から、以下の記述ポイントが重要と考えられます(あくまで参考であり、最終的な評価基準は公式公募要領・審査員に従います)。

事業計画書の構成:IT業界向け推奨フォーマット

  1. 現在の事業状況と課題(2〜3ページ):既存事業の売上推移・利益率・市場縮小データ・人材コスト上昇。数値で「なぜ今の事業では持続が困難か」を示す
  2. 新事業の概要と市場性(4〜6ページ):ターゲット市場規模(第三者調査データ引用必須)・競合分析・自社の差別化要素・参入機会の明確化
  3. 新事業進出要件の充足根拠(2〜3ページ):既存事業との違い(顧客・収益モデル・技術・販売チャネル)を図表で対比。審査員が「これは本当に新しい事業だ」と判断できる記述
  4. 実施スケジュールと実現可能性(3〜4ページ):月次のマイルストーン・外注先・社内体制・技術的リスクと対策
  5. 財務計画(3〜5年)(4〜5ページ):売上・費用・利益の積算根拠。付加価値額4%以上成長・賃上げ3.5%以上の数値根拠を明記
  6. 補助事業の費用内訳(2〜3ページ):見積書(相見積もり取得済み)・経費区分ごとの必要性の説明

IT業界ならではの採択率を上げる記述のコツ

採択率向上のための7つのポイント

  1. 「AIを使う」だけでは不十分:「誰のどんな課題を解く」を先に示す
    生成AIや機械学習の活用は手段です。「○○業界の△△という課題(市場データ引用)を、生成AIを使った××で解決し、□□円の市場を狙う」という構造で記述する
  2. 既存事業との違いを表(対比)で視覚的に示す
    文章だけでなく、顧客セグメント・収益モデル・販売チャネル・技術スタックの違いを表で対比すると審査員に伝わりやすい
  3. 市場調査データは第三者機関のものを使う
    自社調査・独自推計は評価されにくい。IDC・矢野経済・富士通総研・中小企業庁の報告書など信頼性の高い出典を使う
  4. 先行顧客・PoC先の確保が採択率を大きく左右する
    「すでにβ版を試験提供する顧客(企業名)がいる」「LOI(意向書)を取得済み」という記述は強力な採択材料になる
  5. セキュリティ体制を1章設ける(SaaSならISMS/Pマーク計画も)
    IT業界の新サービスは情報セキュリティリスクを必ず問われる。「誰のデータをどのように守るか」を事前に記述する
  6. 外注費・システム構築費の相見積もりは必ず2社以上取得
    見積書1通では採択後の確認検査で問題になりやすい。同等スペックの見積書2社以上が必須
  7. 認定支援機関(中小企業診断士・商工会等)の確認印と事業計画コメントを添付
    認定支援機関による確認は必須要件。早めに相談し、計画書の精度向上と必要書類の漏れ防止を依頼する

IT業界で不採択になりやすい事業計画書のパターン

不採択パターン よく見られる記述 改善方向
自社DX化を新事業と混同 「社内業務をAIで効率化する」「既存サービスの一部をSaaS化する」 新しい顧客・市場への進出であることを明示する
競合分析が甘い 「競合はほとんどいない」「先行優位性がある」(根拠なし) 具体的な競合サービス(名前・料金・機能)を列挙し、自社の差別化を数値で示す
売上計画が楽観的すぎる 初年度から黒字・3年で売上10倍(根拠の積算なし) 単価・顧客数・チャーン率の仮定を明示し保守的なシナリオも記述する
補助事業の費用と新事業の関連が不明 「AI開発費2,000万円」(何をどのくらい開発するか不明) 機能一覧・開発工数・外注単価・納期を根拠として添付する
新規性の説明が技術中心で市場視点がない 「最新のLLMを活用した高度なシステムを構築する」 「誰が・月いくら払うか・現在のどんな不満を解決するか」を先に書く

IT・Web業界が活用すべき補助金の比較:新事業進出補助金と他制度の使い分け

IT・Webサービス業者が活用できる主な補助金は複数あります。新事業進出補助金との使い分けを整理します。

制度名 補助率 補助上限額 IT業界での主な活用シーン 申請難度
新事業進出補助金
(本記事の対象)
1/2〜2/3 最大9,000万円 新SaaS開発・AI新規事業・BPO参入など大型投資 高(採択率35〜37%)
ものづくり補助金
(成長加速化補助金統合後)
1/2〜2/3 最大5,000万円程度 AI・IoTを活用した製品・サービス開発(革新的要件あり) 高(採択率40〜50%)
デジタル化・AI導入補助金
(旧IT導入補助金2026)
1/2〜3/4(セキュリティ枠は4/5) 最大450万円 ITツール・SaaS導入(自社のDX化向け) 低〜中(採択率50〜70%)
小規模事業者持続化補助金 2/3 最大200万円(通常枠50万円) 小規模IT事業者の販路開拓・ECサイト構築 低(採択率60〜70%)
東京都・各都道府県独自補助金 1/2〜2/3 都道府県により異なる(10〜200万円程度) 創業・新規サービス立上げ・デジタル化(地域限定) 低〜中

選択の基準:新事業進出補助金を選ぶべきケース

  • 新規事業への総投資額が1,500万円以上(補助下限750万円は補助額の下限のため、総事業費は1,500万円以上が前提)
  • 既存のIT事業とは明確に異なる新しいビジネスモデルを立ち上げる
  • 3〜5年の事業計画を数値で作成できる
  • 認定支援機関(商工会・中小企業診断士等)に相談できる

なお、新事業進出補助金とデジタル化・AI導入補助金は原則として重複申請ができません。同時期に複数の補助金を検討している場合は、認定支援機関に相談の上で優先順位を決めてください。

IT・Webサービス業の新事業進出補助金 申請手順チェックリスト

第4回公募(2026年6月19日締切)は終了していますが、今後の統合制度(新事業進出・ものづくり補助金・2026年度後半予定)に向けた準備として、以下のチェックリストを参考にしてください。

申請前〜採択後のチェックリスト(IT・Web業界向け)

  1. GビズIDプライムの取得(取得まで2〜3週間)
    会社の法人番号・代表者情報をもとに申請。Jグランツ(電子申請ポータル)へのログインに必須。個人事業主はマイナンバーカードがあれば即日取得も可能。
  2. 認定支援機関への相談(申請の2〜3ヶ月前が理想)
    最寄りの商工会・商工会議所・よろず支援拠点・中小企業診断士・行政書士に相談。認定支援機関の確認印は申請書類に必須。
  3. 新事業の市場調査・競合分析
    IDC・矢野経済・中小企業庁・経済産業省の公開レポートから市場規模データを収集。競合サービスを5〜10社リストアップし、自社の差別化を数値で整理。
  4. 事業計画書の作成(20〜30ページ)
    認定支援機関と共同作成が推奨。付加価値額4%成長・賃上げ3.5%の数値根拠を含む財務計画が必須。「IT業界向け記述のコツ」(上記セクション参照)を活用する。
  5. 補助事業経費の見積書取得(相見積もり2社以上)
    システム開発外注費・クラウドインフラ費・デザイン費など、補助対象経費ごとに2社以上の見積書を取得。単価・工数・仕様を明記した見積書を揃える。
  6. Jグランツから電子申請
    公募要領に沿って必要書類(事業計画書・見積書・財務諸表・認定支援機関確認書等)をアップロードして提出。
  7. 採択後:交付決定を待ってから発注
    採択後も「交付決定通知」が届くまでは補助対象経費の支出・発注をしてはいけない。これが最多の失敗パターン。
  8. 補助事業実施・実績報告
    補助事業期間中に経費を使い、完了後に実績報告書・証拠書類を提出。確定検査後に補助金が入金される(後払い)。

IT事業者が特に注意すべき点

  • 交付決定前に開発に着手した費用は補助対象外:クラウドインフラの設定・開発コードの着手も交付決定前は不可
  • 外注先の変更は事前に事務局へ報告が必要:採択時の見積書と異なる業者への発注は承認が必要な場合あり
  • 補助金は後払いのため資金繰りを事前に計画:入金は実績報告・確定検査から数ヶ月後。日本政策金融公庫の「補助金つなぎ融資」も活用できる

2026年度後半の制度統合と「新事業進出・ものづくり補助金」への移行

第4回公募(2026年6月19日締切)は現行「中小企業新事業進出促進補助金」としての最終回となる見通しです。2026年度後半には「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(仮称)」への統合が予定されています。

統合後の制度:現時点で分かっていること(2026年6月時点)

項目現行・新事業進出補助金統合後(予定・未確定)
制度名中小企業新事業進出促進補助金新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(仮称)
申請枠1枠(新事業進出)複数枠(新事業進出枠・ものづくり枠・成長枠等)の可能性
補助率・上限額1/2〜2/3・最大9,000万円未確定(現行水準を維持する見通しが有力)
申請要件新事業進出要件・付加価値4%・賃上げ3.5%未確定(現行要件をベースに見直しの可能性)

統合後の詳細は中小企業庁(chusho.meti.go.jp)および中小企業基盤整備機構(shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp)で最新情報をご確認ください。

統合制度の公募開始前に今からやっておくべき準備として、以下を推奨します。

  • GビズIDプライムの取得(制度が変わっても必須のため先行取得を推奨)
  • 認定支援機関との事前相談(制度詳細が出た時にすぐ動けるよう関係を構築)
  • 新事業の事業計画骨子の作成(市場調査・競合分析を先に終わらせる)
  • 財務諸表の整備(直近2期分の決算書が申請必須書類)

まとめ:IT・Web業界が新事業進出補助金を最大活用するために

IT・Webサービス業は新事業進出補助金の活用ポテンシャルが高い業種です。受託型からSaaS・BPO・AI新規事業への転換を目指す事業者にとって、最大9,000万円の補助は事業変革を加速させる強力な資金です。

転換パターン 補助金活用のポイント 推奨準備期間
受託開発からSaaS開発へ 新顧客セグメント・収益モデルの違いを表で対比。先行顧客との覚書を準備 3〜4ヶ月
Web制作から生成AI新サービスへ AIを「手段」として市場課題を先に定義。既存AI競合との差別化を数値で 2〜3ヶ月
デジタルマーケからBPO事業へ 人材・オペレーション設計の具体性。既存顧客を超えた新市場への進出を明示 3〜4ヶ月
インフラ系からIoT・新プラットフォームへ PoC先の確保・技術的実現可能性の根拠資料。セキュリティ体制の記述を厚く 4〜6ヶ月
  1. GビズIDプライムを今すぐ取得する:取得に2〜3週間かかるため、統合制度の公募開始前に先行取得しておく
  2. 認定支援機関に相談する:最寄りの商工会・よろず支援拠点・中小企業診断士への早期相談が採択率向上の最も確実な方法
  3. 「誰のどんな課題を解くか」を先に決める:技術先行の計画書は評価されにくい。市場・顧客・収益から考える
  4. 先行顧客(PoC先・意向書)を確保する:採択率を大きく引き上げる実績材料
  5. 交付決定前に着手しない:IT業界で最多の失敗パターン

まずは認定支援機関への相談から

新事業進出補助金の申請は、認定支援機関との連携が採択の鍵を握ります。最寄りの商工会・商工会議所・よろず支援拠点では無料相談を受け付けています。制度の最新情報は中小企業基盤整備機構の新事業進出補助金ポータル(shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp)でご確認ください。中小企業庁の公式情報はchusho.meti.go.jpで随時更新されています。

よくある質問(FAQ)

Aはい、IT・Web制作会社(情報通信業)は新事業進出補助金の申請対象です。中小企業・小規模事業者・個人事業主であれば業種制限なく申請できます。ただし、既存のIT事業とは「異なる新規事業への進出」が要件のため、単なる事業拡大(既存のWeb制作を継続しながら案件を増やすなど)は対象外です。SaaS開発・AI活用新サービス・BPO参入など、新しい顧客・収益モデルへの転換が採択されやすいです。
Aはい、新事業への進出を目的とした新SaaSの開発費(システム構築費・外注開発費・クラウドインフラ費など)は補助対象経費として認められます。ただし、既存事業の単純な効率化(社内ツールのSaaS化)や、既存サービスの一部機能追加は「新事業進出」に該当しない可能性があります。外部市場に向けた新しいビジネスモデルのプロダクトであることを事業計画書で明確に示す必要があります。最新の対象経費・要件は公式公募要領でご確認ください。
A生成AI(ChatGPT APIやAWS BedrockなどのLLM)を活用した新サービス開発は、新事業進出補助金の対象となり得ます。重要なのは「AIを使う」という技術面より、「既存事業とは異なる新しい市場・顧客向けに新しい収益を生み出す事業に進出する」という事業面の要件です。「AIを使った自社業務効率化」だけでは対象外ですが、「生成AIを活用した外部向け新サービスの開発・展開」は要件を満たす可能性があります。詳細は認定支援機関にご相談ください。
A新事業進出要件は、「既存主力事業とは異なる事業分野への進出」を求めています。IT業界では、提供する製品・サービスの種類、販売対象となる顧客層・業界、収益モデル(プロジェクト型か継続課金型か)のいずれかが既存事業と明確に異なることが重要です。例えば、「受託Webサイト制作」から「飲食業界向けSaaS(月額課金)」への転換は、顧客・収益モデル・製品全てが異なるため新事業進出として評価されやすいです。一方、「受託Web制作の一部をSaaS化する」場合は、既存の延長とみなされるリスクがあります。
A新事業進出補助金の場合、申請準備(GビズID取得・認定支援機関相談・事業計画書作成)に2〜4ヶ月、採択発表まで3〜4ヶ月、採択から交付決定まで1〜2ヶ月、補助事業実施・実績報告・確定検査・入金まで合計1〜1.5年程度かかります。補助金は後払いのため、事業に必要な費用はいったん自己資金または融資で立て替える必要があります。IT・Web業界では開発着手を急ぎたいケースが多いですが、交付決定前の着手は補助対象外になるため注意が必要です。
Aはい、個人事業主であれば申請可能です。ただし補助下限額が750万円(補助率1/2として総事業費1,500万円以上)のため、規模が小さい場合は自己資金・融資計画の準備が必要です。日本政策金融公庫の創業融資・補助金つなぎ融資との組み合わせも検討してください。個人事業主の場合、GビズIDの取得はマイナンバーカードがあれば即日〜翌日で完了します。まずは最寄りのよろず支援拠点・商工会で無料相談することをお勧めします。
A第4回(2026年6月19日締切)は現行の「中小企業新事業進出促進補助金」としての最終回となる見通しです。2026年度後半には「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(仮称)」への統合が予定されています。統合後も同様の新規事業支援機能は維持される見通しですが、詳細は未確定です。最新情報は中小企業庁(chusho.meti.go.jp)および中小企業基盤整備機構(shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp)で随時確認してください。統合制度の公募開始前にGビズIDプライム取得・認定支援機関との相談を先行させておくことを強くお勧めします。
A自己作成も可能ですが、採択率を上げるためには認定支援機関(中小企業診断士・行政書士・商工会議所等)のサポートを受けることを強くお勧めします。特に「付加価値額4%以上増加」「賃上げ3.5%以上」の財務計画の数値根拠と、IT業界特有の「新規性の論拠」の記述は、専門家のサポートがあると大きく精度が上がります。IT業界の採択実績がある申請支援事業者・コンサルタントを選ぶことも有効です。申請代行・コンサルティング費用の一部は専門家経費として補助対象経費に含められる場合があります。
専門家1 専門家2 専門家3 専門家4

無料で専門家に相談できます

社労士・行政書士・診断士・税理士・補助金コンサルタント・IT導入支援事業者が貴社に合った補助金を診断し、申請をサポートします。

相談・診断は完全無料 申請実績豊富な専門家が対応 最短翌日に折り返し連絡
最新の問い合わせ・相談 もっと見る(過去の相談)→
新事業進出補助金のことなら
専門家チーム 専門家 専門家 新事業進出をお考えの方 専門家に無料相談する 専門家 専門家 地域・業種から選べる お近くの専門家を探す